幼なじみ②

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夢花と愛子が、五十嵐奏の話で盛り上がる中。 チラッと教室の真ん中へと視線を向けると。 見事に、その中心に立つ彼と目が合った。 表情一つ変えないで、廊下へ視線を向けてクイッと顎を上げて。 だけど一瞬だけ、クイッと上がった口許は他の誰にも見られていないはず。 残りのお弁当を口に入るだけ押し込んで、無理やりお茶で流し込む。 せっかくの彩南さんが作ってくれたお弁当。 こんなふうに食べるのは申し訳ないけど、だからと言って残すなんてありえない。 「ゴメン、ちょっとお手洗い行ってくるね」 急いでお弁当箱を閉じてカバンに押し込むと。 三人にそれだけ言って教室を飛び出した。
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