255人が本棚に入れています
本棚に追加
彩りよくお弁当箱に詰められたハンバーグに卵焼き、インゲンの胡麻和えにミニトマトのマリネ。
手のひらサイズのお弁当箱は、あたし用のお弁当。
あたしの倍近く大きなお弁当箱は、ここの家の長男、純人のもの。
この春、高校生になったあたしのお弁当は。
朝早いうちのママの変わりに、こうやって毎日彩南さんが作ってくれるのが日課となっていた。
うちのママと彩南さん、そして優太さんは美容師の専門学校の同期でその頃からもう28年の付き合い。
そして、ママと彩南さんは大親友。
バリバリに働くママの変わりに、こうやって彩南さんがあたしのご飯を作ってくれる。
自分でできないこともないけど、一人は寂しいでしょ?といつも気にかけてくれるこの藤木家に甘えて。
朝起きて身支度を整えたあと、この家に来ることであたしの一日は始まるのだ。
最初のコメントを投稿しよう!