3人が本棚に入れています
本棚に追加
「あんたシゲミだろ?」
男は、顔をのぞき込むようにシゲミに近づく。
ワシの顔を見るなと言わんばかりに、顔を背け、じりじりと後退するシゲミ。
「くっ!ち、違うわい!」
後退するシゲミに詰め寄ることはぜず、少し距離をとる男。
「しらばっくれるなよ。貴様の顔は、裏社会じゃ有名なんだよ♪」
逃げられない。そう判断したシゲミは、観念した。
しかし、死を覚悟したわけではない。
「まままままままま待て!はははは話せば分かる。ピピピピピピストルルルルンルンルをを銃をおろせ」
ピストルを突き付けられて尚も自分が劣勢であると分かっていないかのような、上からの言葉は男を怒らせるには十分だ。
「命令するなって言ったろ!クソ爺」
「く・・・・・・お、お前も頼まれたのか?ワ、ワシを殺しに来たんじゃろ?」
返事はしない。
聞こえているのに聞いていない振りをする男。
分かり切った事しか言わないシゲミの言葉など聞きたくないという思いがそうさせている。
「それにしても、命を狙われてるのにSPも付けず♪・・・・・・馬鹿なのか?アホなのか?死にたいのか?ま、賢くないのは間違いない♪」
「・・・・・・くそっ。ガキが調子にのりおって・・・・・・」
「ま、ここまで生きて来られたことは誉めてやるよ♪」
「・・・・・・や、やかましぃ」
最初のコメントを投稿しよう!