3人が本棚に入れています
本棚に追加
首を取るより、シゲミを助ければ倍の金が手に入る。
男は、しばらく悩む。
悩む男を見て、やはり金で動かぬ者はいないと、ほくそ笑むシゲミ。
だが、男の答えはシゲミの期待している返事ではなかった。
「う~ん・・・・・・悩んだ結果、あんたは信用出来ねぇ♪ってことで殺しま~す♪」
そう言うとシゲミの脳天に狙いを定める男。
今、まさに引き金を引くタイミングで、男は止められた。
「銃をおろせ!ペイシン」
背後から自分の名前を呼ばれ振り返る男。
「お♪なんで俺の名を?」
ペイシンは、一旦振り返ったが銃口はシゲミの脳天に向いたまま。
「そいつは俺の獲物だ」
そう言う男を見て、シゲミは肝を潰した。
さらに、恐怖のあまり腰を抜かし、小便まで漏らす始末。なんとも情けない。
「ななななん何なんでお前が?」
そこに立っていたのは野之崎の路地裏で出会ったマサシムだった。
「貴様の行動など筒抜けだ。俺の捜査力は国家レベル以上だと覚えておけ。なめるな」
蛇に睨まれた蛙のように動けないシゲミ。
逃げようにも足に力が入らず、ギリギリと歯ぎしりをするだけである。
「ぐぬぬぬぬぬ」
目の前に現れたマサシムに驚いたのは、シゲミだけではない。
ペイシンも、来るはずない男の登場に首を傾げた。
最初のコメントを投稿しよう!