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しかし、マサシムからの電話だと分かると慌ててサイキに繋いだ。
「どうしたマサシム?お前から連絡など無いことだが?」
低く威圧感のある声。
裏社会を牛耳る人物である男の声は、それだけで人を緊張させる。
しかし、マサシムは落ち着いたものだった。
長年の付き合いで、お互いの人間性を理解しあっているからだ。
「まぁ、あってもおかしくないだろ。突然だが頼みがある。・・・・・・え?あぁ、それは問題ない」
自分の言い分とサイキの言い分が合致し電話を切るマサシム。
内容が気になるペイシンは、すかさず聞いた。
「どうなった?懸賞首の話だろ♪」
「シゲミには手を出さないで欲しいと説得した」
「ひょ~♪相変わらず、無茶するぅ♪そして、手際が良いねぇ♪そこに憧れるぅぅぅぅだ♪」
「茶化すな!代表を説得するのは大変だったんだぞ」
「おう、それだよ♪よく代表が許したな。お前の身勝手な意見を♪」
代表というのは、サイキ以外の誰でもないのだが、その名を人前で呼ぶことは、自殺行為であり、裏社会では、通称である『代表』という名で呼ばれていた。
「因縁じゃねぇかな?」
ポツリと呟くマサシム。
「はぁ?因縁?」
「代表もシゲミには、特別な感情を抱いていると聞いたことがある。感情なんて無さそうなのにな」
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