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少し笑みを浮かべたように見えたマサシムの表情を、ペイシンは見逃さなかった。
「お♪面白そうな話だな♪」
そう言われたが、キリッと表情を変え、不愛想に答えるマサシム。
「話さないぞ。俺が消される」
「・・・なんだよ、つまんね~な」
本当に素直に感情を顔に出すペイシン。
つまらなさ満載の表情をするペイシンに、マサシムが珍しく、柔らかい口調で言う。
「なんて顔してんだペイシン。ま、今回の件は、手を組もうじゃないか」
普段から単独行動をし、誰とも連まない事で有名なマサシム。
この意外な言葉に、ペイシンはパッと表情を明るくした。
「ほう。お前がそんなこと言うなんて初めてだな♪手を組もう♪」
「じゃ、今から1ヶ月、シゲミを奴と共に監視して欲しい」
「え?監視?拷問じゃないのか?で、奴って?お前と組むんじゃないのか?」
手を組むと言われ、ともに行動すると思っていただけに、ペイシンは軽く混乱した。
しかし、ペイシンが混乱することも分かっていたかのように平然と話すマサシム。
「俺とは別行動だ。カシワ・ギンと行動してくれ」
「え?あの伝説の?引退したって聞いたぞ」
「あの人を引退なんてさせない。あの人のブランクを埋めることを兼ねて、シゲミを監視してくれ」
「て、俺・・・・・・リハビリ係~?」
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