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「む、村田!ででででっ出番だ!」
こういった場面に出くわすであろうと、体躯の良い村田という男を用心棒として引き連れていた。
後ろに居た村田が、シゲミの前に出て、盾になる。
しかし、男の視線の先は村田の姿ではなく、シゲミに変わりない。
「ふん!貴様を殺すことなど容易いことだぞシゲミ!」
「ワシを殺す?殺せばお前は殺人犯!死刑じゃい!」
そう言っておけば、自分の命は助かると信じて疑わない。
シゲミは、少し優位になった気がした。
「知らなければ良かった事かもしれんが、俺は、殺しのライセンスを持っている」
「殺しの?馬鹿が!そんなもんがあってたまるか!」
「どう思おうと貴様の勝手だ。どうする?殺されてからじゃ考えることもできんぞ」
淡々と話す若い男。恐怖が優先され、まともに、その男を見れなくなっているシゲミ。
「そうじゃ!ワシの研究の結果を教えちゃる!」
すでに思考回路は、まともではない。
それでも、閃いたとばかりに携帯電話を取り出すシゲミ。
スマホではなく、ガラケーであるのは年のせいもあった。
「研究?」
「ワシの方式を使って・・・・・・三連単の本命ガジガジじゃいや!」
一日に何度も見る競艇のホームページを見せつけるシゲミ。
「コラ爺・・・言ってることがさっぱりだぞ」
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