第1話 狙われたハゲ

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「ほーほほほ。まだまだじゃのぅ。そうじゃ!競艇発祥の地、大村に行くか?」 「競艇に興味はない。そろそろいいか?」 目つきが一層鋭くなる男。 さすがに危機を感じ、話を反らそうとするが、当然のように上手くいかない。 「殺せば、お前も死刑じゃい。馬鹿が!そんなんも知らんのか!」 やれやれと首を振る若い殺し屋。 「何度も言わせるなドアホウ。国は俺に殺しを許可したんだ。俺が捕まることはない。それに、もしそうでなくても、捕まるようなヘマはしない。貴様の命は、俺次第と言うことを忘れるな」 若い男が冗談で言っているのではないと、目を見れば分かる。 物わかりの悪いシゲミでもそれが分かった。 「さて、そろそろ殺してやろうか?」 懐から、M92Fベレッタを取りだし、シゲミに銃口を向ける。 銃口を向け、観念した表情のシゲミを見ると、若い男は、ふと閃いた。 「待てよ・・・・・・死より恐ろしい恐怖の中で生きていく。というのもありだな。選ぶ権利は与えてやる」 「馬鹿!こんなっ!死より恐ろしい恐怖ってなんじゃい?」 その質問には、答えることはない。 「三十秒待ってやる。生か死か、どちらか選べ」 「ままっままま待て!待ってくれ!」 「だから、こうして待ってるだろ。あと二十五秒だ」 「金か?金が欲しいのか?」
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