3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほーほほほ。まだまだじゃのぅ。そうじゃ!競艇発祥の地、大村に行くか?」
「競艇に興味はない。そろそろいいか?」
目つきが一層鋭くなる男。
さすがに危機を感じ、話を反らそうとするが、当然のように上手くいかない。
「殺せば、お前も死刑じゃい。馬鹿が!そんなんも知らんのか!」
やれやれと首を振る若い殺し屋。
「何度も言わせるなドアホウ。国は俺に殺しを許可したんだ。俺が捕まることはない。それに、もしそうでなくても、捕まるようなヘマはしない。貴様の命は、俺次第と言うことを忘れるな」
若い男が冗談で言っているのではないと、目を見れば分かる。
物わかりの悪いシゲミでもそれが分かった。
「さて、そろそろ殺してやろうか?」
懐から、M92Fベレッタを取りだし、シゲミに銃口を向ける。
銃口を向け、観念した表情のシゲミを見ると、若い男は、ふと閃いた。
「待てよ・・・・・・死より恐ろしい恐怖の中で生きていく。というのもありだな。選ぶ権利は与えてやる」
「馬鹿!こんなっ!死より恐ろしい恐怖ってなんじゃい?」
その質問には、答えることはない。
「三十秒待ってやる。生か死か、どちらか選べ」
「ままっままま待て!待ってくれ!」
「だから、こうして待ってるだろ。あと二十五秒だ」
「金か?金が欲しいのか?」
最初のコメントを投稿しよう!