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俺は産まれて直ぐに理解した
『自分は異常な存在である』と
俺は理解したが故に隠した
異常を圧し殺し、平凡な人間を装おった
両親の愛を受け、友人を作り、擬態して過ごす
愛を知れば異常を抑えることも苦ではない
平凡に親を愛し、平凡に友を愛し、平凡に恋人を愛した
だが、それは間違っていたらしい
愛する人を失った俺は…
愛という『枷』を失った異常は……
抑え込まれていた時の分だけ、激しくその力を爆発させた
もう既に俺を止める者はない
せっかく抑えてやっていたのに、それを無に帰したのは人間だ
俺は異常を受け入れた
俺は異常な存在だ
人間とは違う、異常な存在
俺は人間の敵となる
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