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鍵の部分を食って扉を開ける
「ガ、ヴゥゥ…」
中の人物は、部屋の奥に縮こまり、威嚇するように声を発しながらその瞳は恐怖と憎悪に染まっていた
クロ「これは……子供か?」
クロムの言葉通り、中の人物は子供だった
ベルゼ「……おい」
声をかけるとビクッと震える子供
ベルゼ「出てこい、良いものが見れるぞ?」
その憎悪の正体、奴隷たちと同質だが更に深い……それは既に闇だ
子供に背を向けてジジイの残骸のところに戻る
子供は恐る恐る牢から出て、俺たちのところまで来ると……………突然笑い出した
「あはははははははははははははははははははははははっ!!」
狂ったように笑い、そして泣き出した子供
松明の光だけではきちんと確認できないが、十二、三歳くらいの少年のようだ
クロ「いったいこの少年は……」
こいつはあれだ……
貴族の女の記憶情報から探して見つけた
ベルゼ「こいつはこのジジイの子供、しかも魔盲で貴族の恥だと虐待を受けていたようだな………あらゆる暴力を受け、魔法の的にされ、使用人の玩具として犯され、それをこのジジイに見られながら笑われ、人間としての尊厳をことごとく奪われ続けた貴族の闇だ」
力がなかったことがこの少年の不幸だな
力があれば俺と同じように皆殺しにするだろう
いやしかし、俺なら耐えられず自殺しそうな内容だが…………これは世界の違いで片付けて良いものか?
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