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クロ「どうするのこの子?」
……思考にふけるのは俺の悪い癖だな
考え込み過ぎていたのをクロムに引き戻された
ベルゼ「この少年に決めさせてやろう……今まで選択する権利すら得られずにいたんだからな」
多分、俺はこの少年に同情しているのだ
可哀想だと、思っている
虐げられていた奴隷すら食った俺がだ
つまり、こいつは俺の感情に触れる人間なのだろう
未だ泣き続けている少年に声をかける
ベルゼ「少年」
肩をピクッと震わせる少年
ベルゼ「生きるか死ぬか選べ」
クロ「その二択!?」
何か?
クロムは無視する
虚ろな瞳で俺を見る少年
ベルゼ「お前が生きる糧にしてきた復讐の対象は俺が殺した、お前はどうする?生きる意味を失い死ぬか、それでも生に執着し生き続けるか………選べ」
だが、少年の瞳は虚ろなままだ
面倒だな…
ベルゼ「少年…………俺の目を見ろ」
少年の顔を掴み、目を合わせる
深い闇だ、少年の瞳には闇しかない
ベルゼ「少年…………『食うぞ』」
少年に、死のビジョン……俺の食欲を真正面から浴びせる
「ひっ!?うわ、あぁぁぁっ!!」
少年は暴れ、俺から離れようとする
成る程
ベルゼ「死を受け入れないのなら生きる意思はあるな、父よ……息子がもう一人増えるぞ」
クロ「え?ホント?」
まったく、この父は………
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