転生

2/5
前へ
/666ページ
次へ
「飽きた」 辺り一面に死を撒き散らし、俺は呟いた 俺は俺の異常に名前をつけた 異常の名は『暴食』 愛する人々を亡くしてから、俺は人間を食い散らかした 自爆テロなんて陳腐な自己満行為で俺は愛する人々を一気に失った 俺もその場にいたが、暴食のおかげなのか、無傷 暴食の力を使ってテロを行った仲間も全て消した 力を隠そうとも思わなかったが、力を知った世間は俺を化け物と言い放ち、殺そうとしてきた 人間にとてもがっかりしたのを憶えている 勿論攻撃してきたのだから反撃する 俺が暴食と名付けたのには理由がある 異常を試したことなどなかったから、最初は触れた物を消す力だと思っていた しかし、力の塊をとばすこともできるし、消すだけでなく取り込むこともできる 何でも食らい尽くす、だから暴食なのだ そして、たった今 ここら辺の人間を全て食い消した いや、散らかしたというほうが正しいか 殺す事が目的なのだから、全て食わなくてもいい 重要な臓器一つ失えば人は死ぬ、脆い生き物だ しかし、簡単過ぎた そう、飽きた 怒りで人間を排除しようなどと思い至ったが、人間は多い 既に作業のようなこの行為に意味が見出だせない ということで、手っ取り早く地球を食ってしまおうと思う 出来なければ作業を再開するしかないが、出来るだろう 俺も死ぬかもしれないが、特に生きる意味もない 「さぁ、さようならだ」 地面に手をついて、暴食を発動した
/666ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31735人が本棚に入れています
本棚に追加