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人であって人でないと知らされてから数年が経った。
「記憶があるというのもやっかいやなぁ。」
亜人は人間であった頃の記憶が無いものも多い。
人間であったことを知らされ、しかし、死んだあと作り替えられた事を知らされ、生かされた身体だと言う事を知らされ、人ではないと言い聞かせる。
それが亜人として再びこの世界を見てしまった物の在り方だということは直ぐに分かってしまった。
ましてや、曖昧だけれども人間として生きていた事を覚えている自分にとって、記憶という物は厄介だった。
いっそのこと亜人として生きるにはない方が良かったのかもしれないと時々思う。
『橋倉』
耳に残る本当の名を振り払うか如く一つため息をついた。
「クラ総統??」
「あぁ、マリネか。どうしたんや??」
「いえ、あの!!大佐から報告書を届けに」
「ん。どーも。」
マリから報告書を受け取るとさらっと目を通す。
「あの…失礼かもしれませんが…」
書類から目だけをマリネに向ける。
「総統…お疲れですか…??」
目を逸らし、申し訳なさそうに立つ少女にくすりと笑った。
「あー、ちゃうよ。」
さっきのをどうも見られていたらしい。
回復を使える彼女からすれば、ちょっとした動作にも気がつくのだろう。
「ちょっと違う事考えてとっただけや。」
「そう…ですか。」
「それよりも。」
立ち上がり彼女の前に立つ。
「桃缶は美味しく頂いておけ。まだ食べてないんだろう」
彼女の頭をくしゃっとなでた。
********
勝手にアルさんの話の続きとか。
にも関わらずマリネちゃんしか出てこないwww
待っててね!!茨さんはそのうち借りに行くわ!!
報告書の内容は茨さんの事でも別の事でもいいと思う!!
桃缶はどっかの話の流れから聞こえてきたって事でいいですか(白目)
橋倉はクラが人間だった時の名前。多分この先もちょこちょこ出てくる。
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