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18時。
デスクを片付けて
上着とバッグを手に取る。
「すみません。お先に失礼します。」
既に夏は終わりに近づき
外へ出ると、オレンジ色の太陽が
目の前の景色を染め上げている。
ブブ、と振動した携帯を開けば
着信を知らせる画面。
「もしもし。今終わった。」
「お疲れ。駅前の喫茶店いるから、そこ来てよ。」
「了解。」
都会と違って、車が必須の私の地元。
社員用の駐車場まで
急いで足を進める。
私、柚月沙織(ゆづき さおり)は
半年付き合っている彼氏である
松永龍樹(まつなが たつき)に会う為
車まで急いだ。
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