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カランー
駅前の喫茶店に入ると
待ち合わせと伝えてあったのか
店員さんが
真っ先に案内してくれた。
「ごめんね。お待たせ。」
「お疲れ様。」
店員さんがやってきて、
私はカプチーノをお願いした。
「沙織、誕生日おめでとう。」
そういって、テーブルに出したのは
SURUGAの新作腕時計。
「え！前も貰ったばっかりだよ？指輪！」
「気にしないで。俺があげたいだけだから。」
「龍樹、ありがとう。」
「どういたしまして。」
心の奥で、楠本を嘲笑う。
物をくれるから愛されてるとか
そういうわけじゃないけど。
実感するんだ。
私は大切にされている、と。
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