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おれは二人の間に立ち、おそらく今までで一番真面目な声で言った。
「汝、安河内裕子さん。
あなたは、立石昭三を夫として終生愛し、喜びのときも、悲しみのときも、これを敬い、これを慰め、これを助け。
その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
嬉しさだろう、また裕子さんの頬を涙が伝う。だけど力強く宣誓した。
「はい。誓います」
ヤバい。裕子さんに貰い泣きしそうだ。おれは口びるを噛み涙をこらえた。ゆっくり昭三さんに向き直る。
「汝、立石昭三さん。
あなたは、安河内裕子を妻と認め、終生愛することを誓いますか?」
その時だった。
天井から流れているオルゴール曲が変わった。
これは──
おれの大好きな曲
ビートルズの『I will(アイ・ウィル)』だ。
中学生の時に初めて聞き、そのメロディアスな曲に一発でしびれ、自分で訳した記憶がよみがえる。確か、こんな歌詞だった……。
『ずっと君を好きだってことは
きっと誰も知らない
だけど今でも君を愛してる
僕は一生淋しく
君を待つのかい?
もしも君が望むのなら
僕はそうするよ
ずっと君を愛している
心の底から愛している
一緒にいても離れていても
僕は君を愛し続ける』
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