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何を表した意味なのだろうか。
森を見すぎて……全体にとらわれて、木を見ず……部分的なことを見過ごしている。
どうにもわからない。
しかしその答えを企業人として、裕子さんは鮮やかに言い放った。
「これに答えがありますよ!」
裕子さんは、決算書を高く掲げた。
そしておれは、本当の安河内裕子をみた。
イントロからエンディングまで、ONEコードで切々と歌い上げるブルースのように、裕子さんの正義に揺るぎはなかったのだ。
「高須物産さんからの負債ばかりに目が向いていますが。
その負債を外したらエスティ運送さんは……五期連続で、増収増益されています」
マジか!?
心の内から、じわっと熱いものがこみ上げてきた。
五期連続ということは、角児が社長就任してからだ。流れ弾のような、高須物産の事故が無ければ、エスティ運送はまともな利益をあげていたのか。
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