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昭三さんも曲に聴きいっているのか、黙って天井を見上げている。それからおれと目が合った。
当然、誓います、そう答えるものと思っていたのに、違ったのだ。
昭三さんはゆっくりだが、はっきりと言った。
「I will(誓います)──」
驚いた。こんな返しでくるとは。
2011年4月に、イギリス王室のウィリアム王子とキャサリン妃が、ロンドンのウエストミンスター寺院で挙式をあげたのは、まだ記憶に新しい。
その時、ウィリアム王子が神父に告げた言葉も、「I will──」だった。
この曲も、そのことも昭三さんはきっと知っていたのだろう。続く裕子さんへの言葉で、そう思った。
「I will love you for the rest of my life」
(残りの人生をかけて、ぼくはあなたを愛します)
だけどもっと驚いたのは裕子さんだ。それに英語で答えたんだよ。
「I love you too. I will always be with you」
(わたしもです。いつまでもあなたのそばに居ますよ)
そして裕子さんは、おれに軽くウィンクを投げた。
まいったな。この年でも二人は、英語がわかるんだ。おれはすかさず、お祝いの言葉を送ったよ。
「I pray that yours future will be happy」
(お二人の未来が幸せでありますよう、祈ってます)
二人は同時に、笑顔でうなずいてくれた。
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