第1章 始まりの鐘

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夜明けを告げる鐘がなった。 また今日も少年の1日が始まる… 「おはよう、ミスティー!朝だぞ!起きろ!! 早く剣の練習しよーよー 入団試験までに体動かしときたいんだよー」 外からフウの声がする。ああ、そうだ。 今日は国家騎士団の入団試験だったか… 上半身の力を使って俺は起きた。 外にいるフウに向かって「今行くよ」と伝え。 着替えをして愛用の木刀をもって裏庭へと俺は向かった。 裏庭にいくともうすでに少し汗をかいたフウがお手製の木製ダガーを持って待っていた。 「遅いよ、ミスティー!先に少し動いちゃったよ」 と少し機嫌を損ねた口調で言ってきた。 「ごめんごめん、さぁ始めようか!」 (さて、いっちょやりますか!) 打ち付けられる剣の音とふたりの声はこの小さなクレア村では朝の象徴として親しまれていた。 その為ふたりの練習にはたくさんの見物客がいる。 周りからのヤジや歓声を楽しみながらフウとミスティーは半時ほど剣を合わせた。 「二人とも、ご飯できたよ!」 と妹のリナリーの声が聞こえた。 母親は先の大戦で命を落とし、父は行方がわからないため今では妹が朝飯を作っている。 「わかった。今行くよ!」 と返事をしフウとの練習をやめると周りから 「今日は頑張れよ!」と声をかけられた。 「おう!頑張ってくる!」と元気よく返すと村のみんなは優しく笑ってくれた。 「じゃあ、ミスティー朝飯食べて出発しようか。」 とフウに促され俺は家に戻った。
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