短編 模擬戦

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「私の生きた16年を会って間もない東雲君に否定させない。無能とかいらないなんて言わせない。下に見ないでよ。強さを求める事の何がいけないの」 「ダメとは言っていないだろ。神結さんを女だからという理由で下に見ている奴は幾らでもいる。神結さんが家族や親戚からなんて言われてきたか想像出来る。それに1つひとつ付き合っていたら馬鹿みたいだろ」 予知と反射神経が物を言う対決の中、東雲は体力が底をつこうとしていた。鼓動は早く脈をうち、呼吸は持久走をしているかのように早く、喉は渇き血の味が充満している。 模擬戦開始から常時発動していた死の回避は、神結の剣技を避ける度に脳へと避けるタイミングを示すため、脳への負担が蓄積し米神が痛み始めていた。 次第に強くなる痛みが体の動きを鈍くする。 初手において互角であった魔術のぶつかり合いも時の経過が互いの力量差を明確に表す。 結果、東雲は神結の剣技を無傷で避ける事が出来なくなっていた。 肩を、腕を、腿を、膝を捉えていく。
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