短編 模擬戦

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すでに神結 カイリが15m四方のリングに仁王立ちしていた。 栗色のような淡い金髪、蒼い瞳。 整った顔立ちは、美しく男性の大半は可愛いというだろうか。 普段からそうだが、彼女の目付きは人を引き付けようとしない鋭さを感じる。模擬戦となれば肉食動物を彷彿させる眼光に身の毛が立つほどの恐怖を感じる。 彼女の武器は刃渡り80cmの日本刀。 魔術は『高確率で致命傷を与える』。 彼女の脅威はそれといっていい。さらに彼女を見下すような発言をした場合、確率は羽上がるという事。 こうやって目の前にすると身の毛が立つ。 彼女は昨年のクラス対抗戦にて『女だから弱いなんて言わせない』なんて事をボヤいていたのを聞いたことがある。 他人に見下される事を酷く嫌っている傾向にある。 原因は何であれ、戦えば保健室送りなんて事されたらたまったものではない。俺の日常は平穏であって欲しいから。争い入らない。 「…」 「何あいつ怒ってんだ?ホント分かんねえ。人って感情を剥き出しの時、大抵冷静さ、注意が散漫してるところだ。そこを狙え」 「亮、お前嫌な奴だな。神結さん怒ってるだろ」
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