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「この世に自分の居場所はないと思ってる?悲劇のヒロイン面してて気持ち悪いんだよ。神結さん」
「東雲君。キモいんだけど言ってること。頭大丈夫?強くもないのに口だけは一人前なふりして」
「神結さんに言われたくないよ。術士の基本は情報の多さで大方決まる。それに準じているわけだ。真面目だね。」
「東雲君はこの日常を永遠に続けていたいんだってね?噂になってるの自覚してる?人として変化のない日常を永遠に繰り返してばかりじゃ、人は成長をしない。先を見てない人に私は負けない」
「先を見ていないか。確かにそうだ。俺は目先の事しか考えてない。模擬戦なんかより今日の昼は何を食べようかと考えている方がよっぽど楽しい。それでも前は見ているつもりだ。争いのない世界であればいいと。神結さんは自分は先を見ているといいたげだけど、神結さんの夢や希望って何?強くなって男を打ち負かす事が夢?馬鹿馬鹿しい。」
「笑える。確かにそうね。でも、東雲君も馬鹿げた夢を抱えてる。成長を望まないなんて可笑しな人。それともこの日常が永遠に続いて欲しいと言いながら、大切な人と過ごした日々を忘れたくない。そう思って未来に向かって進む事を拒んでいるの?滑稽過ぎて言葉が出ない」
「同じことを前に言われたよ。成長を望まないとは一言も言ってはいない。今はもういない人の事を忘れたくない。この世界を過ごした記憶を胸に留めて生きていこうと願っているだけだ」
念仏のように唱えていた祈りが魔力となり先天的魔術を発動させる。
一度発動すれば術者に降り掛かる危険を予知し避ける手段を示す。
反則技に近い魔術だが、俺自身に相手に膝を着かせるだけの魔術はない。
発動時間は平均5分。
「お互い簡単に忘れられない過去を抱えて生きている。自己満足で出来た未来を夢見て。そんなの…」
「「先を見ているなんて言わない」」
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