18.

7/27
前へ
/435ページ
次へ
ふと、墓参りの帰りを思い出す。 あいつも道の駅でお土産買ってたな。 それを俺に見られないように隠して…。 あれって、彼女へのプレゼントか? 俺がにやっとして徹を見ると、一度上げた顔をまた元に戻してしまった。 裕太は一頻り喋った後、急に畏まって俺に言った。 「で、ヒデくんに伝えたかったのは、俺達、停戦しました、って事なんだ。」 「あ、そ。」 ガキの喧嘩だ。 勝手にやってくれ。 但し…。 「これからも人様に迷惑だけは掛けるなよ。 あと、殴り合いにも限度ってもんがあるんだからな。」 裕太はにっこり笑って頷く。 こいつは本当に素直だ。 片平が立ち上がり、帰る前に俺を一瞥する。 何だ?何か言いたい事でもあるのか? 「あんた、イカレ野郎じゃないんだな。」 くそ生意気なガキめ! でも、悪く言われた訳でもないから、俺はぐっと堪える。 こいつには、助けて貰った恩もあるしな。 我慢、我慢。 片平が出て行くと、徹も立ち上がって厨房の奥から部屋に上がって行った。 後に残ったのは裕太だ。 その時、突然、飯島が声を掛けた。 「ねえ、きみ、裕太くんだっけ? こっちにおいでよ。」
/435ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1643人が本棚に入れています
本棚に追加