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俺はぎょっとする。
裕太がゲイかどうかは知らないが、俺の事を好きなんだから、男に抵抗はないんだろう。
方や、飯島はゲイだ。
この2人、仲良くなったらどこまで発展するか…。
焦る余り、俺は床を滑りそうになりながら裕太のもとへ飛んで行く。
裕太は既に席から立ち、飯島の所へ移動しようとしていた。
俺は自分でもビックリするくらいでかい声で叫んだ。
「裕太!もう遅いから帰れ!」
「えー?俺、まだヒデくんと喋りたい。」
「じゃ、店閉めてから話そう。
それまで、徹の部屋行ってろ。」
「嫌だよ。
小澤とは、普段は一緒に遊んでないもん。」
「じゃ、俺の部屋!
3階の一番手前だから、そこで待ってろ!」
「了解っす!」
裕太は目を輝かせて返事をし、
「お邪魔しまーす。」
と言いながら階段を上って行った。
裕太を追い払い、俺は安堵の息をつく。
すると、飯島がカウンターに頬杖を付いて言った。
「ヒデくん、邪魔したね?」
「何の事っすか?」
「あの子、タイプだったのになぁ。」
「…。」
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