1643人が本棚に入れています
本棚に追加
飯島は節操ってものが無いのだろうか?
俺は苛立って文句を言った。
「飯島さん、恋人いるんですよね?
それなのに、別れたマシオに未練あるようだし、裕太にまで声掛けたりするし。
ひょっとして、他にも付き合ってる相手がいるんじゃ…。」
「ああ、そのこと?
恋人と呼べるのは3人くらいかな?
あとはセックスするだけの関係だけどね。」
やっぱり、こいつは節操が無かった。
飯島がにやにやしながら言う。
「ヒデくんは、俺とマーシーの事で誤解があるんじゃないかな?
さっき言った3人の恋人のうち、1人はマーシーだ。」
「ちょっ、何言ってんだよ?
あんたら別れたんだろ?」
「そこが間違っているんだよ。
俺達は同棲を解消しただけだ。
マーシーはヒデくんと同じで、恋人関係まで消滅したと思っているが、俺は違う。
今でもマーシーを愛してるよ。
ただ、他の2人と同じくらいだって事が、マーシーには認められないみたいでね。」
「当たり前だろ。」
「俺にとっては、俺の考え方が当たり前なんだ。
ゲイ同士の付き合いに約束事なんて端からないのに、一般的な恋愛関係を真似ても無意味だよ。
俺はマーシーを愛しているが、彼に恋人がいたって構わない。
出来るなら、その恋人ともセックスしたいくらいだ。」
飯島が俺に顔を寄せて妖しげに笑う。
俺は慄いて後ろに引っくり返りそうになった。
最初のコメントを投稿しよう!