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飯島は節操ってものが無いのだろうか? 俺は苛立って文句を言った。 「飯島さん、恋人いるんですよね? それなのに、別れたマシオに未練あるようだし、裕太にまで声掛けたりするし。 ひょっとして、他にも付き合ってる相手がいるんじゃ…。」 「ああ、そのこと? 恋人と呼べるのは3人くらいかな? あとはセックスするだけの関係だけどね。」 やっぱり、こいつは節操が無かった。 飯島がにやにやしながら言う。 「ヒデくんは、俺とマーシーの事で誤解があるんじゃないかな? さっき言った3人の恋人のうち、1人はマーシーだ。」 「ちょっ、何言ってんだよ? あんたら別れたんだろ?」 「そこが間違っているんだよ。 俺達は同棲を解消しただけだ。 マーシーはヒデくんと同じで、恋人関係まで消滅したと思っているが、俺は違う。 今でもマーシーを愛してるよ。 ただ、他の2人と同じくらいだって事が、マーシーには認められないみたいでね。」 「当たり前だろ。」 「俺にとっては、俺の考え方が当たり前なんだ。 ゲイ同士の付き合いに約束事なんて端からないのに、一般的な恋愛関係を真似ても無意味だよ。 俺はマーシーを愛しているが、彼に恋人がいたって構わない。 出来るなら、その恋人ともセックスしたいくらいだ。」 飯島が俺に顔を寄せて妖しげに笑う。 俺は慄いて後ろに引っくり返りそうになった。
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