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裕太がベッドから下りて来て、俺の話しに頷きながら隣に座る。
暑くて裸になったにしては、俺にぴったりとくっ付く。
そして、おもむろに俺の缶ビールを掴むと、中身を喉に流し込んだ。
俺は慌てて裕太の手から缶を引っ手繰り、テーブルの上のコーラを示して言う。
「おまえのはこれだ!」
裕太は口を尖らせ、コーラのボトルを弄っていたが、そのうち中身をごくりと飲んだ。
上半身裸だから、喉の動きがはっきりと見て取れる。
肌は小麦色に焼け、首から提げたチョーカーが良く似合う。
…って言うか、ちょっとエロい。
俺はいつもの調子でビールを飲んでいたが、内心は妙な気分だった。
マシオと付き合った影響か、以前の俺なら絶対に意識しなかった事に敏感になっている。
隣にいる裕太が挑発しているような気がするのだ。
告られた経緯もあるし…。
いや、気のせいだな。
俺の胸の内を知ってか知らずか、裕太はさっきの話しに乗って言った。
「俺ん家も貧乏なんだ。
両親共働きで家ん中汚いし。
でも、ヒデくん家は居心地良いよ。
この部屋も、1階の食堂の匂いがする。」
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