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裕太が目を見開いて黙り込む。
ガキ相手にこんな話しをするのは気が引けるが、恥ずかしいからと言って曖昧に濁すのは俺の主義じゃない。
俺は、大きく息を吸い込んでから言った。
「俺は強引なセックスも、相手を傷付けるようなやり方も好きじゃないんだ。
付き合うつもりも無い相手と、自分でするより良いからって、エッチするなんて俺は嫌だ。」
裕太が、半分泣きそうな顔で俺を睨み付けて言った。
「分かったよ。
俺、他の奴とするから。」
「え?」
「ヒデくんがしてくれないなら、他の男とする。」
そう宣言され、俺は困り果てた。
裕太に『それは駄目だ。』と言う権利は無い。
でも、誰かれ構わずセックスするのは黙認出来ない。
その時、脳裏に飯島の顔が浮かんだ。
もし、あいつが裕太を誘ってセックスする事になったら…。
俺は思わず怒鳴ってしまった。
「裕太!俺への当て付けでどうでもいい相手とセックスしたら、絶交だぞ!」
理不尽な事を言っているのは分かってる。
俺の言葉が余程ショックだったのか、裕太の目に涙が盛り上がった。
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