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かなこと少年はどうにか無事に食糧庫のある校舎まで辿り着いた。
校舎とはもう呼べないくらいボロボロで悲惨な光景にかなこと少年は胸が押しつぶされそうなのをグッと堪えた。
「食糧庫に非常食が置いてあるはずだ。
今ならいける」
柱の陰に隠れタイミングを見計らう少年。
「そうね……」
少年とアイコンタクトをとりかなこは突撃する。
「ここだ……。
……って」
食糧庫の前に来たかなこと少年は現状に唖然とする。
そこには何人もの生徒がごったがえしにいた。
「お前らも食料調達か?」
その場にいたクラスメートがかなこと少年に声をかけた。
「そうだ。
やっぱ考える事は一緒だな」
ぐるりと周りを見渡し少年は溜息をついた。
「でも無理なのよ」
その場にいた少女は絶望した表情で首を横にふった。
「どういう事だ?」
意味がわからず少年は首を傾げた。
「開けてみたらわかるさ」
諦めた顔でクラスメートは言う。
「グゥ!
鍵が……。
ここまで来て足止め食らうとは……」
少年は力を込めて食糧庫のドアをこじ開けようとする。
が、びくともしない。
「ンフゥ……!
ハァハァ……。
開かないね……」
少年に加勢するようにかなこも一緒に開けるがやはり開かない。
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