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***
「凄い。
案外しっかりしてるのね」
地下の奥にある一室ににかなこと少年は身をひそめた。
しっかりとした作りにかなこは感心している。
「あくまでも緊急用だ。
非常食もあるがあんまり数はない」
溜息混じりに少年は言う。
「どうにか打開できるといいんだけど……」
疲れ果てたかなこはその場に座り込んだ。
「そうだな……」
相槌を打ちながら少年も隣に座る。
「どうしてこうなったのかしら?」
悲しそうにかなこは呟く。
「誰かが作ったんだろう。
……しかし何のために」
腕組みをし少年は考え込む。
「怖い……」
恐怖でかなこの体はガタガタと震えている。
「大丈夫。
暫く様子を見て乗り切ろう……」
震えるかなこの手を少年はギュッと握る。
そう……。
あの時のように……。
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