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***
あれから……。
殺戮のロボット達から身を隠すようにかなこと少年は地下のシェルターで生活を送っていた。
そんなある日……。
「……ねぇ、何処に行くの?」
早朝、こっそりと地下から出て行こうとしていた少年を見つけかなこは声をかけた。
かなこの中によからぬ想いが駆け巡る。
「あ、おはよう。
起こしてしまってすまないな」
かなこに気付かれた事に少し驚いたのか少年は焦っているようだ。
「おはよう。
……また無茶しようとしてない?」
しどろもどろな少年の顔をかなこはジッと見つめた。
「食糧が尽きそうだから調達に行こうと思ってただけだ。
こういうのは男の仕事だからかなこはゆっくり休んでおきな」
そう言って少年はかなこの肩を優しくポンポンと叩いた。
「そういうの、女子を卑下してる考えよ?」
少年の言葉に対しかなこは頬を膨らませ言い返す。
本当は……。
一人で無茶しようとしていた少年を心配してるようだ。
「そういう意味じゃない。
外は危険だ。
大切なかなこを危険な目に合わせたくない」
かなこの肩をしっかり握り少年は言う。
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