1章:揺れる大地

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 ーーダン!ダン!ダンダンダン!ーー  今度は北東だ。太鼓が打ち鳴らされている。 「……はんっ」  それは、悲しみを宿した諦めの失笑。 「友たる紅の民も、惑わされたのだな。いや、墜ちるならばせめて……と思ったのか?」  その瞳で紅の旗を眺める。紅の旗は慈しみの民『紅国』  何を思いこの藍の地に侵攻してきたのだろうか? 「その手を紅に染めるのか?」  ーーダン!ダン!ダンダンダン!ーー 「どんな理由であれ、慈しみを手放した紅は、単なる血の色の旗に変わるであろう」  静かに言葉は流れた。  西に『白国』  南に『黒国』  北東に『紅国』  そして、ここは深き愛の民『藍国』である。 .
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