3章:流浪の民

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 丸二日。中央大陸が見えてくるに、丸二日が経った。 「リライ、今日はここでイカリを下ろせ。青の国には大河を北上することになる。夜に運航するのは危険だ」  イチリヤは、目前に迫る大陸に焦ることなく指示をする。  大陸が見えてくると、民の士気が上がったのだが、イチリヤはそう言って制した。  少し士気を削がれた民に、 「急いて、周りが見えなくなっては危険だ。私はお前たちの命を王様より預かっているのでな」  と、ポンポンと肩を叩いて廻った。  イチリヤのその言葉と態度に、民たちも冷静になる。 「イチ王子様、では今日は夜空を見て夕食ですね」  民の一人が声を上げた。 「コラッ、騎士隊長だ。全く気が緩んどるぞ」 「へい! すみません。騎士隊長様!」  船に笑いが起こる。  緊迫の数日間を過ごした民たちは、ようやく神経を静めることが出来たのだ。 .
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