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緩んだズボンのままに膝をつき、ナーシャを抱えあげる。
薄手の寝着を剥がすのは手慣れている。……知っての通り、幼い頃からずっとしてきたナーシャの着替えだから。
「ぁっ……」
スルリと床に落ちた寝着。それと同時に、イチリヤのズボンも落ちる。
「……」
「……」
ーーコンコンーー
「ララでございます。ニイヤ様からお伝言を。『死地の視察は天候不良により後日とし、午前中はお互いに妃孝行を』と提案したいとのことです。お返事を承りたく存じます」
イチリヤとナーシャは外に視線を移した。真っ青な晴天が窓から見えている。
二人とも首を傾げた。
「ちなみに、ニイヤ様とソフィア様のお部屋にも、まだ侍女のランは入室出来ずにおります。あちらは、どうやらかなりの荒れ模様にございます」
イチリヤは笑った。ニイヤはどうやらソフィアを怒らせたようだ。
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