16/26

68人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「それは嬉しいな。僕もあなたの弟になるやもしれないのでしょう?」 必要以上に彼女に顔を近づけて 僕は負けじと愛らしい笑顔を見せてやる。 「和樹、茅乃さんに失礼だ。そのへんにしておけよ?」 当の征司はあえて挑発するように僕を睨みつけ 形のいい唇を吊り上げた。 気まずい空気を打ち消すが如く――。 「ははは!気が早いな、和樹くんは」 一条家の当主は わざとらしいほど声高に笑って手を打った。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加