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「――いらした」 ようやく こちらに向かって近づいてくる足音。 何してたんだよ。 随分時間がかかったな。 長い影が華奢な彼女を守るように寄り添って。 洩れ聞こえる女のかすかな笑い声。 「あれも綺麗。あれも――」 僕の心を波立てるなら それだけで十分だというのに――。
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