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「和樹くん……もうっ……」 「もう何だよ?」 「もうダメよ……」 時間を気にしてる。 夜風は濃厚な薔薇の香りを運んで 残り少ないキャンドルの灯りを揺らす。 「本当だ。聞こえる?あの靴音――征司お兄様の足音だ」 「んんっ……!」 必死に身体を逸らす彼女を捕まえて 僕は悪戯にもう一度唇を奪ってやる。
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