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施錠された裏門から役人が出てくる。
子供たちは役人の様子を伺った。
イテもスラム街の子供たち同様に役人を見詰める。
出てきた役人は二人。どちらもカトルに使える従者であった。二人ともスラム街から抜擢されてカトルに従っていた者で子供たちとは面識があった。
「カトル王は本当に石になってしまったの?」
イテは訊ねた。
若い役人が頷いた。
「時期に話があるはずだよ。この国は第三王子のコルレット様が治めるそうだ」
「そんな」
イテはコルレットの名前を聞いて愕然とした。
「第二王子のルウラ様は!」
スラム街の少年が訊ねる。
順番からすれば次期国王はルウラ・カートスに間違いない。しかし、役人は仰々しく首を振る。
「ルウラ様は来月、南の魔女の命により南国に住む王女との結婚が決まったんだ」
結婚は嬉しいことの筈なのにイテの胸騒ぎは治まらない。
コルレット王子の嫌な噂ばかりを耳にしているのだから仕方のないことではあるのだが。
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