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役人二人は子供たちに手紙を渡した。
イテも手紙を覗く。
カトル王から直筆の手紙であった。
「いいかい。これを読んだら直ぐに燃やすんだ。内容を理解したらもう城へ近付いてはいけないよ」
役人が優しい口調で告げると、二人は足早に裏口から立ち去った。
「これは、東の魔女の謀略だ」
手紙を理解した少年が呟いた。
イテはそれを聞いて驚きを隠すことはできない。
手紙には短い文が書いてある。誰でも読めるように簡単にことのあらましを述べていた。
手紙によると、東の魔女に騎士のクリュウを渡す予定だったそうだ。しかし、カトルは約束を破った。東の魔女はカトルを石に変えたとある。
騎士の名前を見たとき、イテの心臓は跳ねあがった。今にも飛び出しそうな勢いで目の前が眩む。同じ名前の違う人物だと思いたかった。
「燃やそう。これを僕らがしってちゃいけない」
手紙を手にした少年が、歩き出す。
イテ以外は少年の後ろに続いた。
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