三つの星の下で、君に誓う

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「ありがとな」 鼻の下を人差し指でこすり、ニヤついてしまいそうな口元を必死で抑える。 それでもかれんは嬉しそうに「うんっ」と無邪気に笑ってくれた。 その笑顔には“かれんちゃん”の面影が残っていて、それが心臓のスピードを早める。 キスなんかより何故気恥ずかしくなるんだろう。 それを誤魔化すように空を見上げると、あの夏と変わらない俺達を見下ろす夏の大三角形。 今度こそ必ず、君を離さない。 「なぁ、かれん」 「ん?」 あの時言えなかった言葉を、やっと口にするよ。 「遅くなってごめん。これからは俺にかれんの事守らせて」 息を大きく吸ってからかれんを真っ直ぐ見据えて口にすると、彼女の瞳が微かに揺れた。 「……うんっ」 「うわっ」 返事と共に俺に飛び付いたかれんによって、危うく石から落ちそうになり慌てて体制を戻す。 嬉しいけど…… やばい、緊張してるなんて言えない。 「……なぁ、そう言えば忘れてない?」 だから少し、誤魔化させて。 「え?」 「名前呼ぶの」 「あ」 俺はヒーローでいたいから。         第14話へ→→
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