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すっかり着替えてしまったところで、ドレスの裾が床を引きずっていることに気が付いて、七海は裾を慌てて持ち上げた。
なにしろ背の高い梨央に合わせたドレスは、スカートも長い。
小柄な七海が着れば、どうしたって裾は床についてしまうのである。
そのくせ胴体の部分は悲しいほどにぴったりで、少しも余裕がないのだから、この体型の違いを思うと悲しくなる。
しかし、梨央はそんなことにはお構いなしに
「いいじゃん!思ったよりも、似合う!」
と、ひとしきり手を叩いて喜んでいたが、不意に手を止めると、
「でも、ドレスだけじゃ、バランスが悪いなあ……」
急に考え込むように顎を撫で始めた。
獲物を狙う時のライオンのような鋭い目が、七海の全身を行ったり来たりするものだから、思わず身震いしてしまったほどだ。
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