第1話

始まり

夕暮れに染まるとある橋の下で、複数の男子に囲まれた男の子がいた。
男子達は、さぞ面白いっと言った様子で話をしている所。

「お前んち、女ばっかだよなー！　お前も女じゃねーの！」

Ａ君が馬鹿にした様に言った。

「ち、違うよ！」

と、男の子は反論する。

「そういうの何て言うか知ってるか？　女男ー！」

と、Ａ君は続けて言った。

「「「やーい、女男ー！！」」」

すると、回りにいたＢ君、Ｃ君、Ｄ君が畳み掛けるように、声を揃えて言った。

「や、止めてよ……」

男の子は、消え入りそうな声を出してはいるが、男子達には聞こえていないよう……いや、聞かないようにしていると言った方が正しいのか。

子供とは時に残酷な者であり、自分達と違った点がある子を虐める節がある。

その理由は様々だが、実に単純でこの男の子についても、単純な理由だった。

女の子ばかりの姉、男は自分一人。

「あ、違うかー！　お前ってもらわれっ子だもんなー！」

「偽物家族だー！」

そう、それに加えて、本当の家族じゃない。

両親は既に他界、実の血の繋がった一人の姉を除き、天涯孤独。