第1章

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あー、こんなにも早く死ぬなんて思ってなかったなぁ。 まだ15歳だよ?日本でしたいことたくさんあったのに…。 私のバカバカ、前を見ようって決めたとこだったのに地図に夢中で赤信号なの気づかなかったとか前方不注意すぎて天国に行ったら絶対バカにされるよ。 なんて、現実逃避しようとしている間も車はどんどん距離を縮めてくる。 あぁ、死ぬ前に一度見たかったなぁ。 「おいっ!なにやってんだ!!」 死を受け入れ瞼を閉じようとした私はその声と共にグイッと強い力で後ろに引かれた。 ドサッと背中から倒れた私の耳には確かにガヤガヤとした喧騒と走り去る車のクラクションの音が届いた。 あれ? 私生きてるの? 上半身を起こし自分の体をペタペタと触ると、服や肌の感触がちゃんとあった。
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