第1章

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「だったらなんだよ」 雪ちゃんから発せられた声は確かにそら耳さんのもので、そして決して女の子のそれとは違う声質だった。 雪ちゃ……、雪さんはむすっとして私をじっと見据えている。 お、怒ってる…。 顔から血の気がさぁーっと引いていく感覚がした。 そりゃ、怒るよね。 助けた相手が自分の性別間違えてくるなんて誰だって怒っちゃうよ。 だけど私と身長そんなに変わらないからてっきり女の子かと思っちゃった。 そう、雪さんは私よりもほんの数センチ高いくらいで、長身のプリンさんと比べると頭一つ分くらい低い。 とにかく謝らなきゃ。 「ご、ごごめんなさい!」 勢いよく頭を下げて大きな声で謝った。 しかし数秒経ってもなにも反応が返ってこない。 うぅー、まだ怒ってるかな? でも怖すぎて顔あげらんないよ。 こうなったら許してもらえるまで何回でも頭下げて謝るしかない。
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