第1章

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プリンさんに言われて冷静さを取り戻した私は周りを見回して初めて周りの人の視線が自分達に向いていることを認識した。 するとさっきまで青かった顔が今度はかあぁーっと赤くなって熱をもった。 わわわぁー、はすがしすぎるぅ。 周りの視線を断ち切るように目をぎゅっと閉じて俯く。 「顔あげなよ。もう誰も見てないから」 プリンさんが私の肩にぽんっと触れてきた。 少しびくびくしながらも顔をあげるとプリンさんの言うように私達に向けられていた人の視線はなくなっていた。 あるのは忙しなく行き交う人の姿だけ。 みんな忙しそうだなー。 日本人は忙しないから他人への興味も薄いって聞いたことがある。 「あの、勘違いしちゃってすみませんでした」 私はもう一度下げそうになった頭を止めて、ちゃんと雪さんを見て謝った。
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