第1章

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「あの、東京への行き方をすみませんが「いちいち謝るな、鬱陶しい」」 「っつ、……」 “教えてくれませんか?”と続くはずだった言葉は不機嫌そうな雪さんに遮られた。 やっぱり迷惑だよね。 でも教えてもらわないとそろそろ夕方だし…、 どうしよう、なんて言えば……。 「東京方面なら俺らも帰るとこだからついでに連れてってやってもいい」 また項垂れかけた頭に雪さんのそんな声が降ってきた。 「ぇ、本当ですか?」 「あぁ」 「ありがとうございます!」 雪さんの肯定の言葉にこれでなんとかなりそうという安心感が芽生え日本に来て初めて心の底から嬉しくなった。 笑顔でお礼を言ったらプリンさんと雪さんはまた目を見開いた。
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