第二章

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「何ではこっちの台詞さァ☆ 君こそ何でこんなところに居んノ?」 「色々あったんだよ」 「あー『HELEN』に捕まってたりとカ?」 「そうそ、」 待て、何で知ってる。 流石に状況の速度が理解力を超えてきて、俺は口をあんぐりと開けて奴を見た。 「アハハ☆ 君は可愛いなァ、顔に出やすくて分かりやすくテ! 祝日戦争の重要人物がこんな素直な子なら、もう少し戦争を楽しんでいくのも悪くないかも知れないナ☆」 あっけらかんとして笑う彼は、確か『POTOLI=KATARI』という『始まり』なのだと『HELEN』から聞いた。 「ま、その顔じゃヘレンにあらかた『WORLD』の事は聞いた感じかナ? んで、交渉決裂で逃げてきたト」 「察し良過ぎだろ。 見てきたようにすらすら当ててきやがって」 「君の顔に全部書いてあるから仕方ないネ!☆」 「ハァ…… んで、お前こそこんなとこで何してるんだ? 抱えてるそれは倒した敵か何かか?」 少し沸き上がった殺意を抑えつつ、奴に問いかける。 どうしても気になってしょうがなかったが、のっぽは何故かびしょ濡れの人間を脇に抱えていた。 「いやいやァ、これはただの親切心で君の為に持ってきたんだヨ☆ これから必要になるかと思ってサ」 「必要?」 「うン、ほレ☆」 そう言って、どさりと無造作に地べたへと投げ出したのは、俺も良く知る人物だった。 「デブ……?! おい、死んでないよな?! おい?!」 「……全然大丈夫です。おかわりください……」 「死んでしまえ」
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