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「デブ君の他にも有能な能力者が数人ほど捕まってたから、ついでに解放しておいたヨ☆ 本部を壊されて帰る家を失った僕らも、ここらで再反撃といこうじゃないカ☆」
「相変わらず読めねぇな…… 仕事人なんだか自由人なんだか、味方なんだか敵なんだか」
とは言え、デブを解放してくれたのは素直に嬉しかった。
デブだけじゃない。
ジジイとお嬢ちゃんの安否も、はぐれてからどこか心の中に引っかかっている。
「これで役者も揃った事だシ、僕はそろそろお暇するヨ☆」
「あ? お前は戻って戦わないのかよ?!」
「これでも色々とやることがあるんだ。 君の知らない所で総大将がとある計画を練り上げていてね、そのお手伝いサ」
スカウト部門なんて意味のない場所を作ったのも、その為だしね、とのっぽは付け足した。
「それじゃあ最後に、君のやりたいことを一つだけ叶えてあげようカナ☆」
のっぽは瓦礫から降りて傍まで来ると、デブと俺の肩にそっと手を置いた。
能力を発動する際の独特の気配が満ちる。
「デブ君は完全に巻き添えになっちゃってホントご愁傷サマ。 君も『ELMO』に選ばれているとはいえ、戦争は思ったより簡単にヒトが死んじゃうから気を付けるんだよ」
「何を――」
「『HOME』のゼニコって元帥、滅茶苦茶な強さらしいヨ」
のっぽが『能力』と呟いた後すぐ、俺たちは違う景色の中にいた。
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