第三章

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「おやおや、役職持ちでもないのにこんなところまで出しゃばって、君ひどい死に方するでしよぉ?」 幼い。ビデオで声は聴いていたが、実際に目にするとなお幼い。 率直に抱いた感想はそれだった。 近づいただけでその圧倒的な気配に身体が震えるというのに、この子は見た目だけで言えば俺の半分ほどしか生きていない。 一体何を食えばこの歳で、こんな強さを手に出来るのだろう。 「あ! 何か倒れてると思ったらデブがいるじゃないでしか。 いいでしね、デブは。 欲望の塊のようなぽよんぽよんの腹がなんとも愛らしいでし!」 「……ん……」 その声を聞いてか、今度は寝言ではなく本当にデブが覚醒した。 「おいデブ、寝起きですまんが今死地にいるぞ、俺とお前」 「はぁ?」 「起きて戦え。 死にたくなかったらな」 デブも目をこすりながら顔を上げ、ようやく状況を把握したようだ。 「お、おおい、あすこで焼け焦げてるのって、……幹部の人じゃ……」 「そうだよ。 でもあの幼女が滅茶苦茶な強さだろうがやるしかねぇ。 今『AWAY』の本部も崩されて誰もいないんだからな」 「はあああ?! っま、マジか……こんな……」 デブは絶望したが、その身体を無理やり引っ張って立たせた。 「状況把握できねぇのも無理ねェけど、今は戦って勝たなきゃいけねぇんだ」 「グフフ、この焼け焦げお兄ちゃんより弱っちい君たちが、まぁさかまさか勝つつもりなんでしかぁ?」
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