第二章

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『ねえねえ、こんな氷簡単に壊せたのに何で追いかけないの? 殺したほうがよくないアイツ?』 誰もいなくなった小さな氷塊の中、フジムラは自身に憑りついた誰かの声を聞いた。 「いいんだよ、このままで。『WORLD』は変わらない」 『でも、『ZERA』は死んで、『ARATA』『IXIO』『POTOLI=KATARI』は仲間だからいいとして、『ELMO』の側にはまだ『O-ZEN』も『LELLF』も居るじゃんか! 絶対こっちの分が悪いって!! 入らないんならせめて追いかけて殺したほうがいいよ!!』 「分かってんの、いちいち言わなくてもそんな事は。 第一、俺とお前は目的が一致していない。 お前らの目的は祝日戦争の阻止、俺の目的は『Z』の抹殺だ。 誰が仲間になったとか関係ねぇ、一人でもアイツの喉食いちぎってやる」 『……まだそれ言うつもり……? 俺らにも『Z』を止めたい気持ちはあるんですけど? てか祝日戦争の阻止にはそれが一番いいって思ってるんですけど?』 「それはお前の個人的な意見だろ。 だから俺はお前ととりあえず手を組んで行動してやってる。 無血戦争なんて甘っちょろい事考えてたのは『O-ZEN』のジジイくらいのもんだ」 『あの人はあの人で化け物だから仕方ないな。 ま、お前の話は分かったけど、これからどうすんの?』 「一度様子見。 『HOME』か『AWAY』のどっちかが壊滅しないとゼツが起きない」 『大局観だねぇ。 じゃあ俺もしばらく寝るかな』
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