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「いや、違う……これは……一種の呪いみたいなものだ…」
少年は陰気な顔で答えた。
「呪い……ですか…」
警備兵はどこか気圧された様に呟いた。
「ん?……ひっ!!」
少年の肩に一匹の黒猫が居たのに警備兵は気付いて短く悲鳴をあげた。
悲鳴をあげたのはその黒猫がただの猫では無く、その背に大きな蝙蝠の羽を生やしていたからだった。
「ああ、恐がる事は無い……コイツは俺の使い魔だ」
少年はめんどくさそうに伝えた。
「…コイツとは何だ……クルドよ、我輩の事をレオと名付けたではないか」
黒猫は不機嫌そうに言った。
「その名前……名付けたは良いが後になって良く良く考えたら、猫にレオはねーなと思ったんだわ……これからはチャッピーと名乗れ」
少年の一言に使い魔の蝙蝠猫は憤慨して答えた。
「ふざけるな!!…何がチャッピーだ!!…大体、契約時に名付けた名は変更不可だ!!…と言うかクルド!!…お前は我輩を何だと思っている」
「ネコウモリ」
「新しいなソレ……では無い!!…我輩はこう見えても栄えある…」
「やめろチャッピー……それ以上は言うな」
「チャッピーでは無い!!」
少年と黒猫ウモリのやり取りに警備兵はついてこれず、ポカーンと眺めていたが、しばらくして我に返って二人を止めた。
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